概要
法面小段排水溝の閉塞を防ぎ、排水機能を維持する製品です。
「ハイランナー」は、法面小段排水溝に設置することで、枝葉などの侵入を防ぎ、排水機能を維持するフィルタです。
特殊な三角断面形状と立体メッシュ構造により、落葉の堆積を抑制し、自然の風で乾燥・飛散させることで、メンテナンスの手間を軽減します。
高耐食性めっき鋼板を使用し、軽量で設置も簡単。
NETIS登録製品(KK-210024-A)で、国土交通省やNEXCOなど現場で採用されています。
登録・特許など
NETIS登録製品:KK-210024-A
ひょうごの土木技術活用システム:240001
特許:特許第7373150号
対策の必要性
法面小段排水溝が閉塞すると、そこを起点とするオーバーフローが発生し、法面崩壊へ繋がると考えます。
そこで、法面小段排水溝の”閉塞防止”と”排水機能維持”の両方に訴求した、蓋でも、カバーでもない”フィルタ”をご提案いたします。

排水溝を境に崩壊しています
特長
「無対策」から「対策済み」へ
枝葉や土砂の侵入による排水溝の閉塞が心配な現場に
閉塞が原因となる法面崩壊リスクを未然に防ぎたい時に
無対策による事故や責任問題を懸念される現場に
法面下にある人命・住宅・道路・インフラを守りたい時に
メンテナンス負担を軽減
“急傾斜地崩壊対策事業” など、日常的な管理が難しい現場に最適
点検時にわざわざ取り外さず、上から簡単に確認したい時に
運搬・設置が容易な軽量設計で、作業の省力化を実現
コストメリットも明確
法面崩壊時の莫大な復旧費用に比べ、導入コストの方が低い
崩壊後の通行止めやインフラ停止による経済的損失を未然に防止
予防保全で将来的なコスト負担を軽減

上から排水溝の中が点検できます

排水溝内部
規格
溝幅(㎜) | 製品名 | 型式 | 寸法(㎜) | 重量(㎏) |
240 | ハイランナー240 | NKH240 | 600x304 | 2.7 |
300 | ハイランナー300 | NKH300 | 600x368 | 3.1 |
450 | ハイランナー450 | NKH450 | 600x510 | 4.5 |
材質
高耐食性めっき鋼板
長さ
600mmは、一般的なU字溝製品の長さより設定
600mmが最大寸法になります。
オプション
ワイヤーロープ :10m巻(ハイランナー15枚を連結)
ワイヤークリップ:ワイヤーロープ一本当たり4ヶ(片側2か所使用)
ハイランナーにはワイヤーロープ用の金具が標準装備しており、連結することが可能です。

ワイヤーとクリップの取付イメージ
紹介動画
役割
①降雨時
フィルタ全体で排水
②降雨時
山側に堆積しても排水機能を維持
③晴天時
通気性を活かし、乾燥と飛散を促進
≪共同開発 太田ジオリサーチ社 提供≫
全面に落葉を置いて集水面を塞いだ状態で、経過観測しています。
乾燥した落葉が、風で飛んでいき、集水する面が回復していきます。
施工例
現場1
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設置後
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設置後内部
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設置後上から
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設置後(1年1ヶ月後)
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設置後内部(1年1ヶ月後)
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設置後上から(1年1ヶ月後)
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設置後(2年3ヶ月後)
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設置後内部(2年3ヶ月後)
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設置後(3年3ヶ月後)
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設置後内部(3年3ヶ月後)
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設置後(4年1ヶ月後)
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設置後内部(4年1ヶ月後)
現場2
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設置後
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設置後
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設置後上から
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設置後(1年2ヶ月後)
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設置後(1年2ヶ月後)
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設置後内部(1年2ヶ月後)
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設置後(2年4ヶ月後)
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設置後(2年4ヶ月後)
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設置後内部(2年4ヶ月後)
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設置後(3年8ヶ月後)
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設置後(3年8ヶ月後)
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設置後内部(3年8ヶ月後)
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設置後(4年1ヶ月後)
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設置後(4年1ヶ月後)
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設置後内部(4年1ヶ月後)
よくあるご質問(FAQ)
点検や清掃は不要ですか?
大幅な清掃頻度の低減を目指していますが不要ではありませんので、定期的な点検を行い、必要に応じて清掃も実施してください。
山型の形状にした意味は何ですか?
排水機能を長く維持することを目指しています。
山型にすることで、排水する開口部が平面型より多く確保できます。
また、もし枝葉が山側に堆積して雨水が山を越えた時でも、その先で排水を行います。
立体メッシュ材にした意味は何ですか?
排水の為に”高い開口率”と、枝葉の侵入防止の為に”目が小さい”こと、これらを両立する為に採用しております。
採用した立体メッシュ材は、枝葉が入らない大きさで、且つ開口率が46%もあります。
また立体なので、濡れた葉が、点や線で接触するので、早期の乾燥を促します。
上載はできますか?
グレーチングのような全面の上載は考慮しておりませんが、300用までは端部と中央部のプレート上は歩行可能です。
ハイランナー上載イメージ
またオプションで背面に補強を入れることで補強も可能です。
左〔通常品〕 右〔補強タイプ〕
メッシュ部を踏んでしまった場合、どうすれば良いですか?
メッシュ部を踏むと変形しますが、裏側から押し戻して矯正は可能です。
リベットが飛ぶなど、部品が外れた場合は、お取り替えをお願いいたします。
積雪地域で使用できますか?
実験にて、60cmの積雪での破損は発生しておりません。

設置

積雪時

雪解け後
耐食性はありますか?
腐食に強い高耐食性メッキ鋼板を採用しています。
本材料は、切断面に軽度の初期赤錆が発生しますが、安定した保護皮膜が切断面を覆いますので、長期的には腐食はほとんど進行しません。
その後、時間の経過とともに保護皮膜の効果により、進行が抑えられ、端面を覆い目立たなくなります。
飛散対策は可能ですか?
ステンレスワイヤーで連結できるようにしています。
ステンレスワイヤーで数枚を連結する、または連結後さらに地山にアンカーで固定するなど、現場条件に応じて対応いただけます。
ステンレスワイヤー取付のイメージ
施工方法を教えて欲しい
斜辺の短辺を山側に向けて、U字溝に載せます。
法面小段排水溝には勾配があるので、下流部(集水桝側)から設置いたします。
運搬・敷設する際には、鋭角部がありますので、必ず革手袋など着用してください。

ハイランナー設置向き
法面小段以外でも使えますか?
ご使用になれます。
車道や歩道でのご使用は避けるなど、設置環境は事前にご確認ください。
なぜグレーチングにしなかったのですか?
弊社はグレーチングのトップメーカーとして、グレーチングやパンチングメタルも当初検討しましたが、大雨に負けない法面にするために、法面小段排水溝の”閉塞防止”と”排水機能維持”を目的としたハイランナーを製品化しました。
参考に下記写真を参照下さい。
グレーチングの普通目は、枝葉の侵入は防げません。
グレーチング普通目
グレーチングの細目は、枝葉が開口部を塞いでしまうと排水機能が下がります。
グレーチング細目
ハイランナーは、枝葉の侵入を防ぎ、開口率が高い山型形状で排水機能を維持します。
ハイランナー